それでも朝はやって来る
イッター…

……く…ない!!



バッと後ろを振り替えると、真楯が朝子を包み込むように座っていた。


「すっ、すみません!」


あわてて真楯の上から降りようとして、脇腹を膝で踏みつけてしまった。


「イッ…」


くぐもった真楯の声が聞こえた。

降りようともがけばもがくほど、うまくいかなくて、結局真楯の上に馬乗りするような格好になってしまった。



「す、すいません」


恥ずかしすぎて、顔もあげられないでいると、


「驚かせてしまって、すいません。図書館の戸締まりをしようと思ったら、朝子様の姿が見えたもので…」


こういう時って普通の人はどうするんだろ…下手に動くと、真楯先生をまた踏みそうだし…う~ん


「朝子様?」


どうしようか考えていたら、真楯の話を無視してたみたいで、真楯がそっと朝子の頬に手を添えてきた。


「ごめんなさ…」


「そんなに謝らないでください」


真楯がニコリと朝子に微笑む。


「そろそろ帰りましょう。ゆっくりでいいので、気をつけて降りてください。僕は目をつぶっていますから」


えっ!?


「そ…その、僕も一応男なので…、さすがにそのままの格好でお話しされるのは、少し…」


もしかして!?

振り返ると制服のスカートがめくり上がって、お尻が丸見えに。


「ギャー!!」

「うわわわ、落ち着いて!!」



ズルッと手が滑って、真楯の上に突っ伏してしまった。

カチッと歯が何かに当たってしまった。



ギャアーーッ!!

お互いビックリした。
真楯にキスしてしまったのだ。


「ちょっと乱暴にしますが、すいません」

慌てふためいてると、ガシッて真楯に肩を捕まれて、絨毯の上に移動させられた。


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