それでも朝はやって来る
走って水道のところに来たが、明らかに悠里は機嫌が悪かった。

こっちを見ようともしない。


「お前……遅くね?」


「ごめ…」


言うが先に唇を奪われた。


「悠…り!

ちょ…誰かに見られたらどうす…んッ…」


息継ぎする暇さえ与えてくれない荒々しいキス。

知らないうちに倉庫の影に移動してた。

悠里は倉庫に寄っ掛かってキスで力が抜けた朝子を支えていた。


「悪ィ…久しぶりだったから、あんま押さえらんなかった」


朝子の腰を両手で包み込みながら、悠里は呟いた。


「も…一回…いいか?朝子…」


返事を聞く前に悠里は、朝子の唇を貪った。


一方的だけど、気持ちいい…


朝子はされるがまま悠里に身を預けた。


「他の男なんか見てんなよ。お前は俺だけ見てればいいんだよ」


ボーッとする意識の中、悠里は耳元で囁いた。


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