それでも朝はやって来る
去り際にこちらを見ずに、こう告げられた。


「今日はちょっと遅くなるから、先に帰ってるように…

真楯も会議だから少し遅くなる。生徒会長の東雲に話しておいたから、一緒に帰るように」


淡々と話しかけられた。
顔が見えないので、どんな表情をしてるかが全然分からなかった。


顔を見て話をしてもらえないのが、こんなに辛いとは思わなかった。


悠里…

自分の方を見てほしい。


「…ゆう…」


「校門のところに、東雲いるはずたから…」


眼を合わすことなく教室を出ていってしまった。


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