Sweet love from cake
まぁ、そんな人でもお菓子作りの腕は確かだからね。それに叔父さん直々の指名だもん。きっと大丈夫だよね……。

「それで、茅ケ崎さんはどのようにお店を経営するおつもりなんですか?」
「うむ。当面の間は我輩とお主、二人で運営しようと考えておる」
「二人!? だって、前は三人体制でいっぱいいっぱいだったんですよ? 二人でなんて……」

そう。このお店はお客さんが多く来るため、ピーク時だと三人でも手一杯だった。
それが二人になるなんて……結構無茶なような気がする。

「先生の店とは言え、実際に作るのは我輩になる。作り手が変われば店が変わったのと同じこと。以前のような売り上げが確実だとは思えぬ」

そうか……。確かに、作る人が変われば味だって変わる。そうしたら、前みたいにたくさんお客さんが来るかどうかわからないもんね。
この人、そういうところしっかり考えているんだ。ちょっと感心。

「でも、平日の日中は私学校があります。一人で大丈夫なんですか?」
「心配は無用だ。修行中に比べれば造作もないことよ……」

遠い目をして茅ケ崎さんは呟く。
あぁ、はい。そうですか。私は特にツッコミも入れずにスルーした。

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