Sweet love from cake

程なくして、学校は終業式を迎え夏休みに入った。
夏休みはたくさんお店のお手伝いが出来るから嬉しいんだよね。――宿題もちゃんとやらなきゃいけないんだけど。

今日は午前中に式をやりそのまま帰宅。本当はすぐにでもお店に行きたいんだけど、茅ケ崎さんがいつも通りの時間でいいと言ってくれたのでお言葉に甘えることにした。
明日からはたくさん働いてもらうことになるからたまには休め、と。結構思いやりのある人だよね。

お腹も空いたので、これから楓がオススメだというカフェでランチすることにしたんだ。

「ねぇねぇゆっきー、成績どうだった?」
「う……あんまり聞かないで。そう言う花梨は?」
「花梨にも聞かないでよぅ! あーあ、成績優秀な楓が羨ましいよ……」
「あのね。私は優秀なんかじゃなくて、しっかり授業聞いて予習と復習やってるだけなの。花梨もそれやればかなり違うと思うよ」
「うぅ……」

楓はかなり成績が良くて、常に上位をキープしている。予習と復習かぁ……。でもそれをきちんと出来るってのは、やっぱりすごいと思う。
私なんか、時間があるとつい新しいレシピ考えちゃうからなぁ。

そんな他愛もない話をしながら校庭を歩いていると、突然後ろから大きな声が聞こえた。
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