Sweet love from cake
「花梨! 待ってくれ!!」

私たちは揃って声のした方に振り向く。
そこには、見かけない男子生徒。

「花梨、俺はあんな理由じゃ納得出来ない。もう一度考え直してくれ!」
「げ……夏葵先輩……」

その生徒を見ると、花梨がとても気まずそうな嫌そうな、そんな表情を浮かべた。

「……知ってる?」

私はこそっと楓に尋ねる。

「あぁ、アレね。花梨の元カレよ。そして、あんまり言いたくないけど私の幼なじみ。ゆきのにも紹介しようと思ったんだけど、ゆきのが休んでいた一週間で付き合って別れたから紹介も何も出来なかったのよね」

花梨の元カレで楓の幼なじみ、かぁ……。
っていうか、一週間で別れるなんて……付き合った人数ゼロな私には信じられない話だ。

空気が悪いし私は全く関わりがないから怖いので、そっと楓の後ろに隠れた。

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