Sweet love from cake
「運命の人なんて、それは単なる錯覚だよ。キミはきっと、恋に恋しているだけなんだ。それに、一週間の付き合いじゃ俺のこと何もわからないだろ? だから……」
「花梨、一週間もあればその人がどんな人だかわかりますので。花梨は先輩とは合わないと思います。絶対に。だから、遅かれ早かれいずれは別れることになっていたと思いますよ」

わわわ。これっていわゆる修羅場ってヤツ?

「アイツもアイツでしつこいけど、花梨もちょっと言い過ぎだよね。もうちょっとオブラートな言い方ってのがあるだろうに……」

呆れたように楓が呟く。

「とにかく! 花梨は先輩とヨリを戻すつもりは全くありませんから!」
「じゃあ、どこがダメだったのか言ってくれ。直せるところは直すから」

突き放す花梨に、まだ食い下がる先輩。よっぽど花梨のこと好きなんだなぁ……。

「そういう、しつこいところが嫌なんです! 恋人だからって四六時中一緒に居るっていう考えも花梨は嫌なんです。もう、とにかく花梨には関わらないでください。ゆっきー、しーちゃん、行こっ」

吐き捨てるようにそう言って、花梨は踵を返した。

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