Sweet love from cake
「……こういうのって、どっちが悪いとかないと思うのね。今回は縁がなかったんだよ。何も女は花梨だけじゃないんだ。もう諦めな」

楓はそう言って先輩を慰める。
みんなそれぞれ大人の意見で、私は置いてけぼり状態。

「ありがとう……。――ん? そっちの子は?」

先輩は楓の後ろに隠れる私に気付いたようで、楓に私が誰なのかを尋ねる。

「あぁ、この子は友達の――……」

楓が言い終わらないうちに、先輩は私の手を握る。

――って!
ちょっと待ってよ!!

「あ、あの……」

慌てている為、うまく言葉が出てこない。なんで私の手を握るの!?

「――今なら、花梨の言った運命の人っていう意味がわかる気がする……」

そっと呟くように先輩は言う。
どうでもいいから、早く手を放してください……。
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