Sweet love from cake
「今週、夏祭りがあるだろう? その日一緒に回ろう! 待ってるよ!」

遠くから微かにそんな声が聞こえた。あぁ、もう恥ずかしい!
今日が終業式で本当に良かった……。まだ残っている生徒も何人かいたから、明日も学校があったら恥ずかしくて絶対に行けないよ!

人生初めての告白だったのに……こんな形じゃショックだよ。

学校から離れてなんとか当初の予定通りカフェに入った私たちだけど、なんかもう昼食を食べる気になれなくて飲み物だけ頼んだ。

「絶対殴る。泣いて謝るまで許さない」

楓は相当ご立腹な様子だ。私は……怒るとかそんな気分にすらならない。ただただ、放心状態。

「ゆっきー、本当にごめんね……。花梨のせいだよね……。あそこまで最低な人だとは思わなかったよ……」

花梨は今にも泣きだしそうで、震える声で私に謝罪する。
そんな……花梨は何も悪くないのに。

「花梨のせいじゃないよ。そりゃあ正直びっくりしたし、まさか振られた直後で他の人を好きになるなんて冗談が過ぎてるかなとは思ったけど……」
「はぁ……アイツと幼なじみなんて、本当に情けないよ。ごめんね、ゆきの」

楓まで私に謝る。なんか……ちょっとだけあの先輩が可哀そうになってきたかも。

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