Sweet love from cake
「ゆきの殿、どうかされたか?」

あの後、なんとなくみんな話す気になれなくてそのまま解散になった。
私はちょっと早いけどお店の手伝いに入った。けど……なんかさっきのことが気になってぼーっとしてしまっていた。

「あ、すみません。ちょっと今日は色々ありまして……」
「ふむ……。少年老い易く、学成り難し。将来に向かって勉強するのも大切だが、ゆきの殿は学生だ。今は勉学に励んだ方が良いと思うぞ」

……茅ケ崎さん、もしかして通知表が芳しくなかったから落ち込んでると思っているのかな?
そう言えば茅ケ崎さん、どう見ても同い年くらいにしか見えないんだよね。高校行かないでこの道選んだのかな。ちょっと聞いてみよう。

「そういう茅ケ崎さんは、学校行っていないですよね? 高校行かないって決めた時、親に何か言われたりとかしませんでした?」
「ん? 我輩、中退ではあるが高校は行っていたぞ?」
「え? ――茅ケ崎さんっておいくつなんですか? 私、てっきり同じくらいかと……」
「我輩は23になるぞ。ゆきの殿と同じくらいに見ていただけるなんて、光栄なことだ」

えー!? どう見ても高校生にしか見えないんですけど!
それが私より七つも年上だったなんて……。

びっくりというよりはショックだった。いや、何がショックなのか聞かれても上手く答えられないんだけどね。
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