Sweet love from cake
次の日。

私たちの家族と叔父さんの家族で、これからについて話し合うことになった。

叔父さんの入院に伴い、お店は閉める。そう、決定された。

「あのお店は、叔父さんの大切なお店なんだよ!? 簡単に閉めたりしちゃダメだよ!」

もちろん、私はその意見に猛反対した。
だって、あのお店は叔父さん自身。昔言っていたんだ。俺にどんなことがあっても、このお店だけは残したいって――。

「確かに、龍二郎の話は何度も聞いていたし、気持ちもわかる。だけどな。あいつがいないのに、どうやってお店の経営をするんだ?」
「ゆきのちゃん……その気持ち、とっても嬉しいわ。けどね、お店っていうのは、ただお客さんにケーキを作って売るだけじゃないの。事務処理だってあるの。ゆきのちゃんには学校もあるわよね? そんなこと、きっと無理よ……」

無理じゃない。

言いたくて仕方なかったが、現実を考えるとどうしても言えなかった。
ただの女子高生の私が、お店の経営を全てやるなんて……。もう少し、もう少し私が大人だったら無理矢理にでもやっていた。
けど……。

私は自分の不甲斐なさに、涙を堪えるのが精一杯だった。
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