穢れ亡きカケラ
俺は早く帰りたいが為に、2人より少し前にいた。
後ろで話し声が聞こえたが、俺には振り返る気さえ無かった。
重くなっている足を、無理矢理動かし、家路を急ぐ。
「いっ……!?」
突然の激痛が走った。
(っあ……さっきの……?)
俺の異変に気付いたのか、2人が駆け寄ってくる。
「おい、賢吾?」
「ちょっと、大丈夫!?」
あまりの痛さに、踞りそうになった。
だが、その時だった。
初めて感じた気配と似たような気配が、此所に漂ったのは。
(何か……来る……目の時よりも大きな何かが)
急いでこの場から2人を離れさせようと試みる。
「……お前か」
だが、遅かった。