穢れ亡きカケラ
「良くわかんないんだけど、私が起きた時には既に咬まれてたっぽくて」
「そうなんだよーだからさ、慰めて」
「慰めねぇから何に咬まれたか教えろ」
「え、其処は普通慰めてやるからとかじゃないの?」
「良いから早く言え」
「えーっと……猫、なのかな?」
「曖昧だな」
「そりゃ、あの時の霧は全く辺りが見えない位立ち込めてたし」
「成る程な……傷平気か?何処咬まれた?」
咬まれた位だから、そんなに傷は深くはないだろうけど。
「左腕の……此処」
そう言いながら、リクは左腕を見せてきた。