穢れ亡きカケラ
「いや、リクは──…」
言い掛けようとしたが、ある人物に遮られた。
「それは“魂魄”だ」
3人同時に、ばっと振り返る。
其処には、男の人が1人、立っていた。
「……あ、貴方は」
恐る恐る春歌が口を開く。
「俺は、暁(アカツキ)」
暁──
この人の事は、何も知らない。
否、知っている筈が無い。
初対面なのだから。
でも、何故だ……
(この声…… 聞き覚えがある──)
何処だ……何処で会った──?