穢れ亡きカケラ
必死に記憶を探るが、わからない。
「安心しろ。俺は、危害を加える為に、お前等を此所へ、連れて来た訳じゃない」
「あんたが連れて来たのか……」
警戒しながら俺も、言葉を発する。
男の人は、微かに笑いながら「少なくとも、俺はお前等より年上なんだが?」と言った。
「……用件は何だ。さっさと俺達を帰せ」
「まあ、そう焦るなって。言う通り、本題に入ることにする」
「……」
「単刀直入に言うが……」
生唾をごくりと飲み込む。
「お前等を当分、元の世界へ帰すことは不可能だ」