穢れ亡きカケラ
何かのカケラのようなものだった。
「そうだ」
──まるで、俺の心中をわかっていたかのように応えた。
「お前の右目に入ったものが、そのカケラ……世界のバランスと大きな関わりを持つものだ」
それを聞いた瞬間、俺は息を呑んだ。
ちらりと2人に目をやると……
春歌の瞳は揺らぎ、リクも流石に、事の重大差に気付いたようだった。
ふと、俺の中で、1つの疑問が生まれた。
俺の目に、そのカケラが入った事が、世界のバランスが崩れた原因なのか──?
確かに、あの時、俺は何かの気配を感じ、上を向いた。
その瞬間だった。
カケラが吸い込まれるように、俺の右目に入って来たんだ。