穢れ亡きカケラ



……一息で言い切る春歌は、相当な肺活量の持ち主だろう。


驚異的だ。


「お前等、何時になったら説明の続き聞く気になるんだよ」


もう一方の方向から、新しい人物の声が聞こえた。


「あー……忘れてた……」


「忘れんな。結構大事な事なんだぞ」


「結構って何だ。結構って」


「お前も忘れてただろうが」


もう、どうでも良いや。


と、言う気にもならず……


(面倒くせぇ……)


完全に面倒くさい方向に倒れ込んだ俺だった。


え。さっきまで怒っていただろうって?


まあ、怒ってはいたさ。



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