クズカノ

しかし、その直後の彼女の表情の変化に僕はすぐに気づいた。


「そんなに…におい嗅ぎたいの……?」


僕は笑顔を崩さない。


「はいっ!!」


彼女は顔をそらしたが、口がにやけるのをこらえているようだった。


「私のが…いいんだ……」


「お嬢様の靴下にしか興味ありません!」


少しの間の沈黙。

彼女はそっぽを向いたままだった。
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