クズカノ

戻って来ると、やはり彼女は暗い部屋の中で今度はパソコンをいじっていた。

僕は目悪くしても知らないよと注意し、台所へ立った。

久しぶりの手料理だ。

頑張って作ろう。

意気込む僕とは正反対に、彼女は虚ろな目でマウスをカチカチと操作していた。

何をしているのか少し気になったが、目の前の食材達が何だか自分を呼んでいるような気がして、僕はすぐにカレー作りに取りかかった。
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