君を探して
後輩
私が部室に足を運んだのは、それから一週間後のことだった。
久しぶりに私の姿を見て、すでに練習をしていたみんなが一瞬動きを止める。
私が部室に顔を出すのは、あの『事件』以来。
分かってはいたけど、気まずい空気が部室に漂う。
早く楽器を持って外に出よう……そう思い、無言で楽器棚へ向かった。
私と慎の楽器ケースの上には使われていない楽器や楽譜が積み重ねられていて、持ち主の長期不在を物語っている。
「慎先輩、やめちゃいましたよ!」
背後で後輩の声がした。
確か、エリナと一番仲のいい子だ。
私は振り返ることができずに、黙って、無造作に積み重ねられた楽譜を棚の隅へ移動させた。
……えーと。メトロノームはどこに置いていたんだっけ?
でも、思い出せない。
「エリナがかわいそうです!」
……そんなこと、知らないよ。
久しぶりに私の姿を見て、すでに練習をしていたみんなが一瞬動きを止める。
私が部室に顔を出すのは、あの『事件』以来。
分かってはいたけど、気まずい空気が部室に漂う。
早く楽器を持って外に出よう……そう思い、無言で楽器棚へ向かった。
私と慎の楽器ケースの上には使われていない楽器や楽譜が積み重ねられていて、持ち主の長期不在を物語っている。
「慎先輩、やめちゃいましたよ!」
背後で後輩の声がした。
確か、エリナと一番仲のいい子だ。
私は振り返ることができずに、黙って、無造作に積み重ねられた楽譜を棚の隅へ移動させた。
……えーと。メトロノームはどこに置いていたんだっけ?
でも、思い出せない。
「エリナがかわいそうです!」
……そんなこと、知らないよ。