君を探して
「ちょっと、チョコったら、やめてよ！“オレ”はそんなんじゃないんだから！」

「あれー？　私“オレ”の名前なんて一度も出してないけどなぁ」


しまった、自爆しちゃった！

なんてベタな罠に引っかかってしまったんだろう……。


「そうかー。深月の失恋の傷を癒してくれたのは、新しい恋なんだー？」

チョコのニヤけた顔がぐいっと近づく。

その横から、ヤマタロが聞いてきた。

「“オレ”って、例のメールの？」

「……そうだよ」

「深月はそいつがどんな奴か、知りたくないの？」

ヤマタロが、そう言いながら私のお弁当箱に自分のシイタケを入れてくる。

私は「うん……」と言いながら、お弁当箱のふたでしっかりそれをブロックした。

シイタケは嫌いだって、この前言ったばかりなのに！

「あっちは深月のこと好きって言ってるんだろ？　だったら、さっさと正体突き止めて、付き合っちゃえば？」

ヤマタロは仕方なしにシイタケを口に頬張りながら、そう言った。
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