君を探して
学校に着き、教室に入るところで、背後から聞き慣れた声が聞こえてきた。

「深月~っ!」

チョコの声だ。

振り返ると、チョコは階段を昇りきって、廊下に足を踏み入れたところだった。

私は足を止めた。

「おはよう!」

いつもと変わらない、チョコの笑顔が近づいてくる。

その笑顔を見たとたん、涙が出た。

「チョコ……」

チョコの笑顔が一瞬にして強ばり、驚きに変わった。

「えっ、えっ……深月、どうしたの!?」

「どうしよう……。チョコ、どうしよう……」

あぁ、もう無理。

限界だ。

昨日からずっと我慢していた涙が、次々に瞳からこぼれ落ちる。

私はチョコに抱きついた。


「“オレ”がいなくなっちゃうよぉっ!」


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