君を探して
翌日、私たち2年生は朝から進路説明会が開かれる視聴覚室に集められた。

私とチョコは一番乗りで視聴覚室にのりこみ、目的の一番後ろの席を陣取る。

視聴覚室は後ろの席ほど座席が高い階段状の構造になっていて、後ろの席からは教室中を見渡すことができる。

2年生は6クラス。生徒数は370人弱。

あっという間に視聴覚室は人であふれかえった。

「ホントに受験するんだねぇ……私たち」

チョコがしみじみと言う。

「うん。そうだね……」

よく見ると、ちらほらと参考書を持参してきている生徒がいたりして、私たちはイヤでも『受験生』という立場を実感する。
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