君を探して
<まぁ、あと少しだし。そのくらいサービスしといてやるよ>

あと少し……

その“オレ”の言葉に、私の体が固まる。


……そうだよね。

やっぱり、一昨日のことは、嘘じゃないんだね。


私は慌てて返事を返した。

<ねえ、オレ様は数学得意?>

<んー、まあお前よりはできると思うけど>

<じゃあ、教科書の89ページの応用問題教えて! 明後日の授業でやるんだけど、難しくて分からないんだもん>

<いーけど、メールでどうやって教えるんだ?>

<解き方書いて送って! そのまま写すから>

<やる気ねーなぁ>

<だって私、文系だよ>

<知ってる>


『間』が怖かった。

間が空いて、話が途切れたとき、“オレ”が<じゃあまた今度>って落ちようとするのが、どうしようもなく怖かった。
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