君を探して
数分後、ようやく私は『BIGLAUGH!』というサイトのことを理解した。

難しいことはよく分からないんだけど、
とにかく、『BIGLAUGH!』は、数年前に作られたばかりのインターネットのコミュニケーションサイトで、東雲曰く「そんなに有名じゃないけど将来性がある」サイト、ということらしい。

同じ趣味を持った人たちがコミュニケーションを取るために、サイトにはチャットや掲示板、ブログやWEBメールが設けられていて、それらはすべて無料で使えるようだった。

「今は登録していないから、見るだけだよ」

東雲が説明してくれる。

“オレ”のメアドも、このサイトに登録した人が使用できるWEBメールだと言うことも分かった。

……ここを、“オレ”が利用しているんだ。

「うん……ここはなかなか使い勝手がいいね……。デザインもすっきりしているし、初めて見るけど機能が充実しているなぁ。軽いからストレスもたまらないし。……おっ! 掲示板も盛り上がってるじゃないか!」

などなど。

東雲は、どうやら私の依頼をすっかり忘れて、純粋に楽しんでいるようだ。

『BIGLAUGH!』上をあちこちクリックして行ったり来たりしながら、満足げに「ブックマークに登録しておこう」とかなんとか言っている。

「メールには広告がつかないし、携帯にも対応しているし。高橋のメル友はなかなか渋いんだね。普通はもっと有名どころを使うのに……でも、目の付け所がいいと思うよ!」

ほっといたらまだまだ語ることをやめてくれそうにない。

楽しそうなところを申し訳ないけれど、

私は東雲に「それで……あとは何か分からないの?」と聞いた。
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