君を探して
5.オレ様、語る。
恋に落ちたとき
気がつくと、パソコンのディスプレイはスクリーンセーバーに変わっていた。
アイツにメールを送ってから、それだけ長い時間が経ったと言うことか。
オレは首を振った。
何惚けてるんだ、オレは。
いつかこんな時が来ることは分かっていたはずなのに。
今日、東雲と話すアイツの姿を見たときから覚悟していたはずだ。
ひとつため息をついてマウスを軽く動かすと、スクリーンセーバーは消えて再びWEBメールの受信トレイが表示された。
オレは、アイツから届いたメールを読み返した。
<……でしょ?>
そうだ。
懐かしいな、この台詞。
あのときも、アイツはオレにそう言ったんだ。
あの瞬間……
オレはアイツに恋をしたんだ。
オレは目を閉じて、その時のことを思い出した。