君を探して
深月は、こちらに背中を向けたまま長い間動かなかった。

(気まずいな……)

今更どうやって教室に入っていいのか分からず、オレはそんな深月の姿をじっと見つめていた。

静かな教室に、時々、深月が鼻をすする音だけが響いた。



オレは、覚悟を決めて少しずつ深月の方へ歩き始めた。


< 191 / 308 >

この作品をシェア

pagetop