君を探して
“幼なじみの親友”は“親友”なのか?
“オトコ”じゃないのか?

深月はその日からいきなり、オレに対して陽人と同じ接し方をした。

色気もなければ自分が女だという自覚もない。

目の前であぐらをかいて座ったり、腹を出して寝たり、お菓子を取られたと言って本気で殴りかかってきたり。

他の女と違って、オレの前で、大きな口を開けて本当に楽しそうに笑った。

陽人との仲を周りに冷やかされたことがきっかけで、少しはオレ達を男として見るようになったが、それでもオレ達は異性だという意識を持たずに中学の3年間を過ごしてきた。


その間、オレは人並みに何度かの恋愛を経験した。

深月は、そんなオレの恋愛話を聞くのが好きだった。

陽人の部屋で、オレは、何度も陽人と深月に自分の恋を語った。

こういう話は男同士でするから楽しいんだが……。

そんな話をするたびに、深月は
「いいなぁー、ヤマタロ、大人じゃん!」
と目を輝かせた。

……イヤ、お前達がオクテなだけだ。
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