君を探して
返事を返せないまま、オレは家にたどり着いた。

深月のメールから、10分は経っただろうか。

まっすぐ自分の部屋に戻ると、カバンと上着をベッドの上に投げ捨てた。

そして、椅子に座り、パソコンの電源スイッチを押した。

オレは、すっかり緩んでいたネクタイを一気に外し、シャツのボタンを外すのが面倒くさくて無理矢理それを引きちぎった。

デスクトップには『BIGLAUGH!』へのショートカット。
それをクリックするだけで、受信メールBOXが開くようになっていた。

オレは、
<仕方ないだろ、オレじゃ駄目なんだから>
と書いたメールを送った。

バカ。
こんなかっこわるい事、言わせるなよ。

そんな卑屈な自分がイヤになって、オレはたて続けにメールを送る。

<ごめん、もう寝るわ>

だけど……。

まだ、明日がある。
アイツが一番しんどいのは明日だ。

オレは、さらにもう一度メール作成ボタンを押した。

<明日、またメールするから。気が向いたら返事して。じゃぁおやすみ>

そう書いてメールを送信すると、ブラウザを閉じてパソコンの電源を切った。


明日。

もう、それで限界だ。

これ以上こんなことやってられるか……。


オレは目をつぶると、椅子の背中に思いきり体重をかけ、背中をのけぞらせた。


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