君を探して
その日の夜、オレは少し早めに自分の部屋に引き上げて、パソコンの前に座っていた。

深月はもう、家に帰っただろうか?
慎とどんな話をしたんだろうか?

新着メールが届いていないか、待ちきれずに何度もF5キーを押して画面をリロードする。

まだ9時前だ。
メールが届くはずもないのに。

…いつもの時間まで待ってみよう。

そして、その時間が来たら、アイツが昨日のことを引きずらなくていいように自然に声をかけるんだ。

最初はどう切り出す?

……


その時、深月からの新着メールが届いた。

<話、聞いて>

深月からメールをよこすなんて、滅多にない。

……よっぽど思い詰めているのか?

いつもの時間まで待てないくらい、話したいことがあるのか?

オレは、すぐに
<いいよ>
と返事をした。

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