君を探して
深月からのメールは、3時まで続いた。

メールの間隔が長くなり、誤字や脱字、単純なボタンの打ち間違いが増え、明らかに文章が乱れてきた。

アイツが泣きながら必死にメールを書いていることは想像に易かった。

そうやって胸の中に閉じ込めていた思いを全部はき出せばいい。
そうすることで楽になれるなら……

“オレ”が今まで存在し続けたことにも意味があるよな?



だけど。



深月からのメールを待ちながら、オレは自問自答する。


オレがしたかったことは本当にこんな事なのか?

違うだろ?

オレは、好きな女が泣いているときに、どうして冷静にキーボードを叩いているんだ?

なんでアイツの元に駆けつけて、黙って抱きしめてやれないんだ?


……そんな自分にムカついた。



カタン。

家の外で郵便受けに朝刊が投函される音がして、オレは我に返った。

気がつくともう4時半になろうとしていた。

画面を更新してみたが、深月からのメールは届いていなかった。

<もう寝たか?>

着信音で目を覚ますなよ……と思いながら、それだけ書いて送信した。



その日、結局オレは眠れなくて、そのまま朝を迎えてしまった。


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