君を探して
……そんな回想の途中で、携帯電話が鳴った。
机の上の携帯がバイブの振動で小刻みに踊っている。
着信音よりもこっちの振動音のほうがよっぽどうるさい。
両手を頭の後ろで組んで椅子の背もたれにもたれかかっていたオレは、携帯を手に取り着信相手を確認した。
心当たりのない電話番号。
こんな夜中に誰だ?
オレは電話を取った。
「夜分すみません、山野上先輩ですか?」
どこかで聞いたことがある女の声だ。
あれは確か……
「うん、そうだけど。誰?」
「突然電話してごめんなさい!私、沢崎と言います。沢崎エリナです」