君を探して
「深月、おっはよー!」

背後からチョコの声。

「助かったよー。抜き打ち検査があるって教えてくれて、ありがと!」

「どういたしまして」

昨日、チョコにはメールで知らせたんだ。

「でも、こんなマル秘情報、誰から聞いたの?」

チョコ、いいとこつくなぁ。

「うん、まあ、ちょっとねー」

私はそう言って言葉を濁したが、鋭いチョコは

「ん? ちょっとって何?」

って眉をひそめて私の顔をじっと覗き込んでくる。


私は、これはごまかしきれないと思って、正直に話すことにした。

……だってチョコ、怒ると怖いもん。


「実はね、昨日の夜、例のメールが来たんだ」

「そうなんだ! それで、相手はなんだって?」

チョコの目が輝いた。

「それが、よく分からないんだよね。抜き打ち検査のこと教えてくれた以外は、どうでもいい話ばっかりで……」

「ふう……ん。……深月、ちょっとがっかりした?」

「……がっかりじゃないけど、なんかねぇ……」


“オレ”が何をしたいのかよく分からない。

最初のメールの言葉どおり、ただ「好きなやつとメールしたいだけ」なのかな?

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