君を探して
「……っていうより、お前よくあんなにたくさん携帯でメール打てるよなー。マジで尊敬するわ」

「ヤマタロは、いつもパソコンからだったんだよね?」

「そーだよ」

ヤマタロは、何か思い出し笑いをしながら続けた。

「でも、2回だけ、携帯から送ってみたんだけど」

「えー、そうなの?」

「そうそう。あのときは、携帯壊したくなるくらい大変だったんだからなー」

「いつ?」

……あれ? 
なんでだろう。

ヤマタロと話し始めると、少し気持ちが楽になってきた。

「最初は、陽人が慎を殴った夜、陽人の家から帰る途中だなー」

……覚えてる。

私はあの時エレベーターで、“オレ”からのメールが待ち遠しくて、ずっと携帯を握ってたんだよね。

目の前に本人がいるとも知らずに。

「こっちが必死でひとつメール送ったら、お前はすぐに返信してくるだろ? 焦るしイライラするし、おまけに寒いし……」

ヤマタロは、楽しそうに笑って言った。
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