君を探して
「それで、2回目は……」

「2回目は?」

私が聞き返すと、ヤマタロが意地悪そうにこっちを向いた。

「クイズ。 いつだと思う?」

……ドキッ。

ヤマタロに真正面から見つめられて、私の心臓が一瞬止まった。

「えっ……えーと……」

それは考えるフリだけ。
心臓だけじゃなくて、私の思考回路もストップしてしまっている。

「答えは……『泣くな、バカ!』」


「あ……!」


そうだ。

“オレ”にフェードアウト宣言された翌朝。

どうしていいかわからなくなった私は、チョコに泣きついたんだ。

あの時……

「あの時も大変だったぞー。朝練終わって教室に戻ってみたら、お前が泣いてるんだから」

「はぁ……」

恥ずかしくて、そんな間抜けな相づちしか打てない。

「原因はオレだってことは分かってたから、あわてて引き返してトイレに入って……」

「……だって……」

「あの時のお前、かわいくてさぁ。もーう、ヤバかったんだよなぁ……」



……え?



「あのときは、泣かせてゴメンな」


その言葉で、また私のドキドキスイッチが「ON」になる。

「ううん……」

私は俯いた。

「いいから、ほら、弁当食べとけー。深月が食欲ないと心配になるだろ?」
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