君を探して
昨日の夜。
私とのメールの後、エリナと会ってたんだ。

私は“オレ”がヤマタロだって分かってから、何も手につかなかったって言うのに。

(……どうして?)

お箸を持つ手が震えた。

だけど、そんなことを聞くのは怖い。

ヤマタロは、そんな私の様子をじっと見つめていた。

そして、何もかもお見通しだって言わんばかりに、フッと笑った。

「深月、もしかしてヤキモチやいてる?」

「なっ、なっ、何言ってんのよ! そんなわけないじゃない!」

うろたえる私。

「ヤマタロが女の子と仲良くするのは、日常茶飯事だし!」

「人聞きの悪い言い方するなよなー。それに、知ってると思うけど、知佳は小学校から一緒でお前にとっての陽人みたいな存在で……まぁ、お前達ほど仲良くはないけどな」

「知ってるよ……」

そんなこと、よく知ってる。


ヤマタロには、知佳ちゃんだけじゃなくて、たくさん仲のいい女の子がいることも、

すごく人気があって時々告白されてることも、


そんなの今に始まった事じゃなくて。



ただ、今まで、何も感じなかっただけで……

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