君を探して
その日、部活を終えて学校を出た時には、外は真っ暗になっていた。

12月は日が暮れるのが早い。

だけど、普段は薄暗い学校の周辺も、今だけは街のイルミネーションが輝いていて、路面をところどころ明るく照らしていた。


……もうすぐクリスマスなんだなぁ。


去年のクリスマスは、慎とデートしたんだよね、私。

慎は私を驚かせようと内緒で指輪を買ってくれていたんだけど、いざ着けてみたらサイズが合わなくて、慌てて2人でお店に駆け込んだんだ……。

だけど、そんな思い出は、ものすごく遠い昔のことのようで。

今の私は、自分がどんな風に恋をしていたのか、分からなくなっていた。


恋って、楽しかったよね?

ううん、辛かったかな?


……こんなに苦しかったかな?

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