君を探して
「ど、ど、どどどどどういうこと!?」

東雲ばりに慌てる私。

ついつい最悪のパターンを考えてしまう。

もしかして、ヤマタロにとって私は、すでに過去になっちゃった? って。

陽人はそんなことを考えて1人でブツブツ言っている私を呆れ顔で見た後、大きな大きなため息をついた。

「どういうことってお前、自分の胸に手を当ててよく考えてみろ」

「いや……手はふさがってるし、考えても分からないし」


「あのなー、オレでも分かるぞ、お前がヤマタロを好きなことくらい」


……ハイ?


「顔は見ない話もしないだけじゃなくて、あいつが後ろを通るたびに真っ赤な顔して意識しまくって」

……。

「しまいには、チョコと2人でヤマタロの名前連呼して、泣きながら昼飯食うし」

…………。

「見てるこっちの方が恥ずかしくなるって……」

………………。

「ヤマタロに『どうにかしてやれ!』って言っても、楽しそうに『いや、まだもうちょっと』なんて言いやがるし……」


あぁ、そうなんだ。


ヤマタロは私の気持ちに気づいていて、

それでご機嫌でいてくれてるんだ。


嬉しいな……


…………って、



そんなこと思えるわけないじゃん!!!

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