君を探して
この前、タケちゃんからも言われたんだよね。

『エリナが慎先輩を狙ってるって、1年の間で噂になってますよ! 深月先輩いいんですか?』って。


……いいわけ、ないけど。


2人の様子を見ていると、慎と目が合った。

「あ……」

そういったのは、私。

慎は何もなかったように視線をエリナのほうへ戻して、話を続けた。


だって、これだよ? どうしようもないじゃん。


「チョコ、教室はいろ!」

私はチョコの手をとって、慎とエリナに背を向けて自分の教室に入った。


「深月、最近慎くんのことになると、らしくないよ」

チョコが心配してくれる。

「うん、分かってるよ……」

そう、こんなの私らしくない。
だから早く、きちんと話をしたいのに。

でも、その時が来るのが怖い気もする。

「話ならいつでも聞くからね!」

チョコが私の背中をドンと叩いて、自分の席に着く。

「……うん!」

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