君を探して
チョコに勇気づけられて席につくと、隣ではいつものように東雲が背中を丸めて携帯を夢中で操っている。

「おはよー、東雲」

「あ……。お、おはよう」

今日も挨拶、よくできました。


いったん顔を上げた東雲だったが、すぐに携帯に視線を戻す。

これ以上私と話をする気はないらしい。


何をそんなに夢中になっているんだろう?

気になったので、私は横から東雲の携帯の画面をのぞいた。

「うわっ!」

東雲が私の気配にあわてて携帯を隠す。

「何してるの?」

「い……い……いや、べつに……」

首をブンブン振って、全力で拒絶する東雲。

「いいじゃん、見せてよ」

半ば強引に東雲から携帯を取り上げてみてみると、画面は真っ暗で

『GAME OVER』

の文字。

「あああぁぁぁ!!」

東雲がそれを見て悲痛な声を上げる。

「もう少しでステージクリアだったのに……」


……なーんだ。ゲームだったのか。


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