君を探して
「よーし、だったらもう泣くな-」

ヤマタロが私の頭をぽんぽんと叩いて、

「ほら、芋でも食っとけ」

って、私の口に無理矢理ポテトを突っ込む。


私は鼻をすすりながら、ポテトでいっぱいになった口を動かした。

もう冷めてしまっているのに、なんでだろう?

そのポテトは、驚くくらい美味しかった。


「……おいしぃ」

泣きながらそう言うと、ヤマタロは

「変な奴だなー」

って声を上げて笑った。




「もうすぐ、クリスマスだな」

店内には、定番のクリスマスソングが流れている。

「プレゼント、何か欲しいものない? 指輪?」

ヤマタロは、そのBGMに合わせて楽しそうに鼻歌を歌い始めた。

「いいよ、プレゼントなんて。もう大事なものもらったし」

「じゃあ、2人でどこか行こうか?」

どこがいいかなぁって楽しそうに話すヤマタロを見ているうちに、ようやく私も落ち着きを取り戻し始めた。

……まだ、ドキドキしてるけど。
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