君を探して
そのとき背後から声がした。

「もともと殴られるようなことしたのは慎なんだから、バツが悪いんだよ。こんなことが騒ぎになって学校に広まったら、あの優等生には耐えられないんじゃね?」

ヤマタロだった。

私の声を聞いて迎えに出てきてくれたんだろうけど、ものすごく声にトゲがある。


ヤマタロは学校からそのままここへ寄ったようで、制服姿だ。

それに比べて、やっぱり私のパジャマ姿は恥ずかしい。

「こんな格好で来ちゃったよ」

恥ずかしさをごまかそうとして私がそう言うと、ヤマタロは

「大丈夫、学校で見てるのとあんまり変わらないから」

だって。


──ムカツク! ムカツク!!

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