君を探して
いつもは見上げるばかりの陽人の顔。
こうして上から見下ろしたのは初めてかもしれない。

涙目になって私を見ている陽人の上目遣いは、なんていうか…。

なんていうか……。

……。


「深月、悪かったな」

陽人がようやく重い口を開いた。

「俺、カッとなっちゃって……」

「……」

「俺があんなことしたら、深月に迷惑かけるのはわかってたんだけど」

「……」

「でも、どうしても我慢できなくて」

「……」

「……深月？　どうした？」

無言でうつむいていた私を気にして、陽人が顔を近づけてきた。

「ぶはぁっっ!!」

思わず吹き出してしまう私。

こらえきれなくなって、私は声を出して笑った。

「なっ、なっ、なんだ!!」

陽人が驚いて立ち上がった。

「泣いてるんじゃなかったのか!?」

一歩引いて、私たちの様子を見ていたヤマタロもあっけにとられている。

「笑ってるよ、こいつ……」

だって……。
私は、おかしかったんだ。

「だって………だって………陽人、全然かわいくないんだもん」

「はぁっ？」
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