君を探して
普通、「上目遣い」って、かわいい仕草じゃない?

でも、ごっつい体でかなり濃い顔の陽人のそれは、あまりにも似合ってなくて、笑わずにはいられなかったのだ。

「ははは、確かに。気持ち悪いわ」

私の話を聞いて、ヤマタロも一緒になって笑う。

「なんだお前ら、人が真剣に謝ってるっていうのに!」

陽人は顔を真っ赤にして怒り出した。

「ごめんごめん、でも、おかしくて………」

笑いすぎて涙が出たのをパジャマの袖で拭きながら、私は陽人に言った。

「やっぱり陽人は熱くなくちゃね!」

立ち上がった陽人をいつものように見上げなから私は言った。

うん、私たちはこの立ち位置がいいよ。

「ありがとうね、陽人」

私がそういうと、陽人は照れながら、

「お、おぅ」

と言った。

「……ヤマタロも!」

ついでみたいだけど、ヤマタロにも感謝してるよ。


ヤマタロは笑って、軽く手をあげて、返事を返してくれた。
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