君を探して
夜のエレベーターは他に乗り降りする人もいなくて、すぐに1階に到着した。
「深月……」
「ん?」
「慎よりいい男なんていっぱいいるからさ」
「……うん」
「あんな女にフラフラするような奴、ほっとけ」
こんな時、いつもなら得意の毒舌で私のことを笑いとばすヤマタロが、今は優しい。
それがかえって辛かった。
「うん……ありがとう」
「早く帰らないと用事あるんだろ? じゃあな、おやすみ」
「おやすみ」
そう言うとヤマタロは駅の方へ歩き出した。
ヤマタロは、同じ路線だけど、駅は2つ離れている。
今からまた電車に乗って家まで帰るのだ。
ヤマタロが角を曲がってその姿が見えなくなると、私は大急ぎで1階に止まったままになっていたエレベーターに飛び込んだ。
上昇するエレベーターの中で携帯を開いたけれど、まだ新着メールは届いていない。
時間は21時57分だった。
ふぅ。間に合ってよかった……。
……って!
私ってば、何を安心しているんだー!?
「深月……」
「ん?」
「慎よりいい男なんていっぱいいるからさ」
「……うん」
「あんな女にフラフラするような奴、ほっとけ」
こんな時、いつもなら得意の毒舌で私のことを笑いとばすヤマタロが、今は優しい。
それがかえって辛かった。
「うん……ありがとう」
「早く帰らないと用事あるんだろ? じゃあな、おやすみ」
「おやすみ」
そう言うとヤマタロは駅の方へ歩き出した。
ヤマタロは、同じ路線だけど、駅は2つ離れている。
今からまた電車に乗って家まで帰るのだ。
ヤマタロが角を曲がってその姿が見えなくなると、私は大急ぎで1階に止まったままになっていたエレベーターに飛び込んだ。
上昇するエレベーターの中で携帯を開いたけれど、まだ新着メールは届いていない。
時間は21時57分だった。
ふぅ。間に合ってよかった……。
……って!
私ってば、何を安心しているんだー!?