君を探して
学校に着き、教室へ入ると、私の到着を待ちかねていたチョコが駆け寄ってきた。

今日に限っては、隣の陽人のことも無視気味だ。


少し緊張して周囲を見回したけれど、クラスメイトたちは私と陽人を見てもいつもと変わらない様子だ。

……よかった。
昨日の騒ぎのことは、あまり広まっていないみたい。


「深月、大丈夫?」

チョコの言葉に、私は笑って頷いた。


昨夜、“オレ”とのメールの後に、チョコから電話があった。

ちょうど私が“オレ”とメールをしている時間に、チョコは陽人と電話をしていたらしい。

陽人から事件のことを聞き、心配して電話をくれたんだ。


だからチョコは、昨日の出来事をほとんど知っている。

そう……“オレ”のこと以外は、全部。


「私、慎くんが許せないよ」

そう言って唇をかみしめるチョコは、なんだか私より感情的で、今にも泣きそうな顔をしていた。

チョコは、空いている東雲の席に腰掛けた。

「深月、今日どうするつもり?」



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