君を探して
素直な涙
──お店でポテトとジュースを注文した後、私はトレイを手に、慎が待つ4人掛けの席へ向かった。
いつもなら、慎の隣が私の指定席だ。
だけど。
私はどこに座っていいか分からなくて、足を止めてしまった。
「どこでも」
それを察した慎が、参考書をカバンにしまいながら、ぎこちない笑顔で言う。
「……なんだか緊張するね」
私は、慎から一番離れた、斜め向かいの席に座ることにした。
私が椅子に座ると同時に、慎が話を切り出した。
「部活、どうする?」
「……え?」
いきなり言われた言葉の意味をすぐには理解できなくて、慎の顔を見る。
昨日陽人に殴られた慎の口元は、黒ずんで痛々しかった。
その口から、続けて言葉が発せられる。
「このまま2人とも残ったら、みんなもやりにくいだろうなぁ、と思って」