【短編】守りたい
何も言い返せない。



「そうなんだな……」



「悪りぃ」と涙声ながらに謝るタクに、やっぱり俺は何も言えなかった。




何も言えるはずないんだ。


俺だって最低の人間なんだから。




いつものようにタクはユカリとすぐに別れるだろうと思ってた。



そうすれば俺にもチャンスがあるだろうと。



ユカリがタクをどれだけ好きだったか知っていたのに



そんなことを考えて



なかなか別れない二人にイライラして




守りたいなんて思いながら


壊すことを考えていたのは
















俺だったんだ………


















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