【短編】守りたい

３

｢俺、ユカリのことマジで好きになった。｣



そうポツンと呟いて俯いたタク。



春から夏へと季節が変わり始める頃だった。



俺は鈍器で思い切り叩かれたかのような鈍く重い痛みを感じて




｢タク、お前何言ってんの？｣




沸き上がる怒りに俺の声は震えていた。




｢初めてなんだよ！こんなに好きになったのは！ユカリが初めてなんだよ！！｣




瞬間、俺はタクを殴り付けていた。



ガッと鈍い音と共に倒れ込んだタクを睨み付け殴った拳を更に強く握りしめる。