あなたがいたから
「隼人っ、遊ぼーっ」
この人は、俗にいう人気者。
私が逆立ちしてもなれないポジション。
いつだってみんなの心をかっさらっていく。
「その前にこの提案決定しちゃおうぜ。賛成の人は手挙げて、反対の人は俯いとけ」
ちゃらいのに副委員長。
ちゃらいのに人気者。
ちゃらいのに頭いい。
ちゃらいのに優しい。
そしてなにより―――かっこいい。
「賛成の人―ッ!!
……はい、全員ね。さっ遊ぶぞー」
「神崎くん……ダメです、
これも決めちゃわないと……」
後ろから資料を持って話しかけるのに、
振り向いてもくれない。